【ZINE/図録】塔を下から組むー北海道百年記念塔に関するドローイング展 記録冊子(付録付)ー佐藤拓実TakumiSatoほか
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2018年11月1日〜11日にわたり、札幌のギャラリー門馬にて開催された「塔を下から組むー北海道百年記念塔に関するドローイング展( https://build-the-tower-from-the-bottom.tumblr.com/ )」の記録冊子です。美術家・佐藤拓実さんによって企画されたグループ展です。
1968年、北海道百年記念事業の主要事業のひとつとして、北海道札幌市の郊外に建設されたモニュメント「北海道百年記念塔」。本展は、そんな塔の解体の議論を契機に、大橋鉄郎、佐藤拓実、白濱雅也、中村絵美、藤沢レオ、森本めぐみ、山田大揮のアーティスト7名が「北海道百年記念塔」に関する作品を制作、発表しました。
展示タイトル「塔を下から組む」は、「物事に取り組むときは、まず基礎をしっかりと固めることが大切だ」という意味を持つことわざ「塔は下から組め」からきています。
作品制作、そして会期中に行われたアーティストトークなど、グループ展開催全体を通じ、社会問題と美術の関係やモニュメント、歴史の継承などのテーマを念頭に置いて議論を重ねてきたアーティストたち。どのように塔と向きあい、いかにして作品を「下から組」んでいったのでしょうか。
本書には企画者である佐藤さんによるコンセプトから、展示風景、各作家の作品が豊富な写真とともに紹介されています。そしてアーティストトークの記録や各アーティストの書下ろしエッセイや、さらに北海道百年記念塔に関する基本情報が収録されており、図録としてはもちろんのこと、資料として貴重な一冊。
また付録として「北海道百年記念塔 年表ポスター」と、グループ展の出品作でもある短編小説『ひかりごけ』(白濱雅也:著)の小冊子がついてきます。嬉しいですね〜。
「北海道百年記念塔」への各アーティストの応えに触れることで、北海道のさまざまな歴史や文化、政治が見えてくるかもしれません。
A4変形のデザインは、どこか塔を彷彿させる。豊富に掲載されている写真も美しいです。
塔を記録し記憶すること、展覧会を記録し記憶すること。そんな残すことの大切さも考えさせられますね。
《目次》
展覧会コンセプト
展覧会概要
会場写真
各作家ページ
大橋鉄郎/佐藤拓実/白濱雅也/中村絵美/森本めぐみ/藤沢レオ/山田大揮
展示作品リスト
アーティストトーク①②
北海道百年記念塔資料編(北海道百年記念塔 基本情報、北海道百年記念塔略歴)
《商品詳細》
塔を下から組むー北海道百年記念塔に関するドローイング展 記録冊子
付録:北海道百年記念塔年表ポスター(1869年~2020年、297×841mm)+小説『ひかりごけ』小冊子
編集:佐藤拓実
デザイン:山田大輝
写真:メタ佐藤
出版:2020年10月3日
仕様:ソフトカバー/A4変形 187× 297mm/70P/カラー/日本語JAPANESE
♡本商品をお買い上げの方には、牛木匡憲さん文字による「本屋しゃんろご」の「しーる」をプレゼント
《プロフィール/五十音順》
大橋鉄郎
北海道札幌市出身。
open-air_classroomのメンバーとして活動。
1994年北海道札幌市生まれ。出来事や物事、知識や事件に対して表層を撫でるように見ている、現在のイメージの受け取り方に着目し作品を制作している。近年では、写真に写っている物を紙を用いた立体に戻すような作品を制作している。
主な展覧会に、2020年「第8回札幌500m美術館賞 入選展」(500m美術館/札幌)、2019年「いえい、頑張っていこうよ」(salon cojica/札幌)、2019年「あれを見た、それを聞いた。そして触れた。」(ギャラリー門馬/札幌)、2018年「アートプラネッツ2018」(プラニスホール/札幌)、2017年「遊び場の力学」(Cafe hammock/三鷹)、2016年「複雑なトポグラフィーー動体と変化ー」(栗林公園/高松)、2016年「いつかきたみちこどもみち」(500m美術館/札幌)、2015年「おとどけアート」(札幌市立北陽小学校/札幌)など。
https://open-air-classroom.org/
佐藤拓実
(1993年 北海道札幌市出身 東京都在住)
北海道教育大学卒業。東京造形大学美術研究領域修了。神山財団芸術支援プログラム第2期生。北海道を中心に全国で活動。近年は北海道の歴史に取材した平面作品を制作、展開している。主な活動に「アートとリサーチ/北海道の旅とプロジェクトのプラン作成、アーカイヴ・ワークショップ」(2016年)選出、「秋田市文化創造交流館(仮称)プレ事業SPACE LABO」(2019年)選出、展示に「3331 ArtFair 2017 ‒VariousCollectors Prizes-」(3331 Arts Chiyoda 1F メインギャラリー、2017年)、「大友真志・佐藤拓実 天塩川」(二人展、アートヴィレッジ恩根内、2019年)などがある。
2018年、「塔を下から組む」を企画。
https://satotakumiart.wixsite.com/sato-takumi-artworks
白濱雅也
(1961年 岩手県釜石市出身 北海道中川郡豊頃町在住)
日本社会の矛盾と特異性を絵画や立体などで探求している。震災以降は鎮魂の意を込めた木彫に取り組む。2012年越後妻有アートトリエンナーレで、臨床美術プロジェクト「は つがの家」 をディレクション。
震災後、グループ展「POST3.11」を企画。2014年、都美セレクショングループ展にて東京都美術館で、続編を原爆の図丸木美術館で開催し、メキシコでのダイジェスト展を開催。2019年には札幌市彫刻美術館でも開催された。
2014年より十勝地方在住、オルタナティブギャラリー ArtLabo北舟/NorthenArk(https://mmfalabo.exblog.jp)を主宰。
https://ameblo.jp/shirahamamasaya/
中村絵美
(1988年 北海道山越郡長万部町出身 同在住)
自然観察や狩猟体験を繰り返しながら、作品イメージを組み立てている。明倫AIR2010年度・2017年度招聘作家。沖縄/北海道 芸術文化交流プロジェクト(2013-15)参加。他、グループ展等多数参加。「新雪の時代――江別市世田谷の暮らしと文化」展リサーチ・アシスタント(生活工房, 2019)、北海道羅臼町の観光展示施設「ギャラリーミグラード」の立ち上げと展示企画に関わる(2015-17)。長万部写真道場研究所主宰/北海道開拓写真研究協議会代表。
https://eminakamura.blogspot.com/
藤沢レオ
(1974年 北海道虻田郡洞爺湖町出身 苫小牧市在住)
鉄や木、繊維などを素材に、工芸、彫刻、インスタレーション、舞台美術等ジャンルを横断しつつも、一貫して自身の死生観や価値観をテーマにした彫刻作品をはじめ、日常に隠れた重要な要素を視覚化する作品を制作。近年は生存の起源や場に関する思索を作品化している。アートを媒体として社会との積極的な関わりを続ける「NPO法人樽前artyプラス」の理事も務め、苫小牧市内を中心に美術展やワークショップも行っている。工房LEO主宰。近年の個展に『Still Living』(苫小牧市美術博物館、2018年)、『きのうと違う川』(茶廊法邑、2019年)など。
http://leofujisawa.com/
森本めぐみ
(1987年 北海道恵庭市出身 札幌市在住)
演劇とクラフトデザインを学んでいた10代後半から、前思春期的な自我を表現したキャラクターの絵画やライブドローイングで活動を始める。近年は消費者としての人間を再生産する仕組みと、それに対する一人の参与者としての疑問が主題。既存の商品や作品を借りて再構築した寓話的世界のイメージを小型タブローやオブジェ、パッチワークなどクラフト的な手法で再度生活空間に忍び込ませる作品を制作している。
主な展覧会に「とがったいわ」(個展、ギャラリー門馬、2013年)、「生息と制作:北海道に於けるアーティスト、表現・身体・生活から」(新宿眼科画廊、2013年)、「百年の予定」(個展、テンポラリースペース、2016年)、「Nameless Landscape」(札幌文化芸術交流センター、2019年)など。
http://onnakosakunin.seesaa.net/article/471502731.html
山田大揮
(1994年 北海道札幌市出身 同在住)
2020年3月北海道教育大学修士課程彫刻分野修了。普段の生活のさまざまな場面で、自分とは異なる立場の存在である「他者」への想像力や、関係の築き方が問われていると感じており、そのことについて考えるために制作活動を行なっています。最近の個展に、2020年「あなたは石を見ている 石はあなたを見ていない」Hue Universal Gallery(札幌)。グループ展に、2019年「5月」以外スタジオ(東京)。
https://twitter.com/_yamadahiroki
《記録写真》
メタ佐藤(佐藤祐治)
(1975年 北海道伊達市出身 札幌市在住)
近年は北海道の近代史を背景に、認識と経験との関係について問いかける写真を制作。北海道で営まれてきた「雨乞い」と「龍神信仰」についてまとめたWebサイト「虫の知らせ -北海道の雨乞い、龍神信仰リサーチ-」(http://ryujin.metasato.com)を2016年より運営。
https://metasato.com
《関連情報》
井口健×佐藤拓実 往復書簡
https://build-the-tower-from-the-bottom.tumblr.com/letter/
2020年に市立小樽文学館で開催された「北海道百年記念塔展」の際に、北海道百年記念塔の設計者である建築家の井口健さんと佐藤拓実さんが交わした往復書簡。全文無料で読むことができるので、塔や、佐藤さんたちの活動をさらに理解するための伴走者として、ぜひ。
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